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テクニカル修理サービス 日本人スタッフの日記
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現地:ソチ ロシア連邦 3月11日(火) | ![]() ![]() |
雨!アルペンのスーパー複合競技の開始時刻は遅延、午後ようやく競技再開
ホテルを出ると、天気予報どおりの雨。
さらに霧が出てきて、前のゴンドラが見えるかどうか、という視界の悪さ。
さらに高度を上げると、霧のエリアを通過したらしく雨がやみ、視界が開けてきました。一安心。
写真は、ゴンドラから見下ろす選手村です。
こちらは、ゴンドラから見下ろす競技会場
右側の扇形の建物が、観客スタンドで、その正面にゴールがあります。
しかし、競技会場に到着してしばらくすると、再び天候悪化。雨もそれなりに降ってきました。
アルペンのスーパー複合競技の開始時刻は遅延となりましたが、観客の為に、スクリーンでアイススレッジホッケーの試合が流れています。
そして、今日は東日本大震災より3年。
スタンド近くで、私も黙とうを行いました。
後から聞いた話ですが、日本選手団の方々も黙とうされ、また、IDパスに追悼のマークをつけられていたとのこと日本から離れていても、皆さんの気持ちは同じ想いのようです。
一人の選手がチェアスキーを持ちこんできました。
バケットシート(選手が座る椅子の部分)の「背もたれを低くしてほしい」との要望
チェアスキーのバケットシートは、タイトなフィッティングが求められるため、選手の身体の型を取って、カーボン等の素材で作られたものが殆んど。
背もたれを低くするには切るしかありませんし、一度切ったら元には戻せません。
が、選手もそれは百も承知で、さらに話を聞いてみると、それなりの理由があることも判りました。
ということで、切ります。
カーボンが割れないように慎重に切っていきます。
形が決まってきたら、やすりをかけて細かい修正をかけながら、身体に合わせたラインを出していきます。
背もたれの上の白いテープは、カットするラインを決めるために貼ったもの。
背もたれの高さを低くすると、
身体の動かし方も滑り方も大きく変わるはずなのですが、この選手なりに考えた末の決断なのだと思います。
今日の競技には参加しないようでしたが、新しいチェアスキーで滑るところを見てみたいです。
今日も車椅子の空気を入れたり、クッションがちょっとはがれたのを接着剤でつけたり、など、
細かい作業がちらほら。
そもそも、競技がストップしていて、選手たちも待機が続いているので、修理も発生しません。
こちらは、プロテクターの修理の様子。
固定用ストラップがずれてきてしまうのを、ちょっとした工夫で直します。
写真は、オットーボック・ロシアのTigran。
午後になってようやく競技再開。
本来、競技の一部を他の日に延期し、今日は回転(スラローム)のみとなったようです。
しかし相変わらず霧は残り、コースのコンディションは前にも増して悪くなっていたようです。
全ての選手が同じ条件で競うので不公平ではないにしても、
それぞれが自分の滑りを出しきれない状況は、少し気の毒に感じました。
残念ながら、この天気は明日も続く予報です。
先日、Yahoo JapanのSportsNaviの記者の方がリペアブースに取材に来られ、その企画の一つとして、2020年の東京大会へのメッセージを贈りました。
写真が、下記のサイトで公開されています(3/10のものです)。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/special/other/sochi_para/to_tokyo2020/photo
リペアブースのスタッフも、東京大会を楽しみにしています。
オットーボック・ジャパン(株) プロダクトスぺシャリスト:中島 浩貴